電磁波と農業

電磁波(electromagnetic wave)とは、電場と磁場の変化を伝搬する波(波動)です。光合成に必要な光や、ネットワークで使われる電波は、電磁波の一種です。

光合成の速度や量を測定する時、広い圃場に最適な無線のIoTネットワークを構築する時、GPSトラクターを利用する環境を作るなど、電磁波の散乱や屈折、反射、回折や干渉などの様々な波としての性質を理解して農業IoTを設計することが基本となります。

ITとIoT

情報技術(IT)はコンピュータや電子デジタル機器を作る、さらにそれを利用する技術で、情報通信技術(ICT)はIT機器や利用者を繋いで通信しあえるようにする技術と言えます。その通信にインターネットを用い、物あるいは物通しが通信しあうのがIoTとも言えます。

これらの要素技術の根幹には、半導体技術、コンピュータ技術、ソフトウェア技術、通信技術、無線技術など多岐に亙る技術があります。

ソフトウェア技術の一つであるデータベースは、コンピュータで蓄積や検索が容易にできるよう整理された情報の集まりを言います。現在最も広く普及しているのはリレーショナルデータモデルです。このモデルでは、データは表に似た構造で管理されていますが、関係と呼ぶ概念でモデル化されており、データベースの利用者は、クエリ(問い掛け)をデータベースに与え、データを検索したり、変更することができます。このモデルにIoTが農業の現場から集めたデータを蓄積して、データが持っている意味を分析して、営農の意思決定に繋げるようになるかは今後の課題の一つです。

 

農業の要素技術

農業の技術分野には、圃場準備、播種・育苗、栽培環境、栽培、樹体の管理、追肥・防除・授粉、収穫、品種、生産資材・設備、施設・ハウスがあります。国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)では、農業機械、農村工学、動物衛生・畜産、食品、作物、園芸、環境、経営の分野を上げています。

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