作物とは?
作物とは、人類・家畜に直接的あるいは間接的にエネルギーを供給する、あるいは市場で取引されることを目的に”人により意図的に育成される植物”のことです。
食糧農業機関FAO(Food and Agriculture Organization)は作物(Crop)を9つに分けています。
利用形態から分類すると次のようになります。
作物の生産の歴史
人類はそれぞれ住み着いた地域で、野生植物を栽培して食糧としてきました。今は世界的に栽培されている麦、米、ジャガイモなども原産地から人の移動と共に広がったと考えられます。人類は、一度に着ける実の量が多い、実や粒が大きいなどの自分たちに都合の良い性質のものを選び続けてきたと言えます。
品種改良
人類は、栽培植物や家畜などを、人間に有用なものになるように改良して、新しい品種を作り出してきました。作物では、収穫量、乾燥や寒さ、病害虫への耐性、密植栽培、矮性栽培、食味などの性質を向上させる目的で品種改良が行われ続けています。
生物の細胞の中では、DNA(あるいはRNA上)の塩基配列に物理的変化や並びが置き換わるなどが起き、それを元通りに直す仕組みが働かず、元とは違うDNAとなることがあり突然変異が起きます。人類が行ってきた品種改良は、この自然界で起きた突然変異により性質が変化したものを選抜することから始まりました。次に異なる品種をかけ合わせること(交配育種)が行われてきました。
遺伝子の構造やたんぱく質の機能が分かってきた現代は、別の品種から目的とする遺伝子を導入する遺伝子組換えが行われるようになりました。ねらった遺伝子を編集することができるゲノム編集技術が開発され、新たな品種を作り出すことも始まっています。この遺伝子を操作した作物を食した生物にどのような影響があるかの議論もあります。