物を測る基準:国際単位系(SI)

1960年に「国際単位系」(略称SI)が制定されました。その基準となったものは以下の7つです。この7つの基本単位を使って、ほかのさまざまな単位が定義されています。

  • 長さ(m、メートル)
  • 質量(Kg、キログラム)
  • 時間(s、秒)
  • 電流(A、アンペア)
  • 熱力学温度(K、ケルビン)
  • 物質量(mol、モル)
  • 光度(cd、カンデラ)

センサー

広い定義では、センサー(sensor、センサとも書きます。)は、自然現象や物体がある環境、さらにその物体の事象または変化、化学的性質などを検出し、人間や機械が扱い易い信号に置き換え、他の電子機器(多くの場合、コンピュータープロセッサ)に情報を送信する機器のことです。センサーを利用して計測・判別を行うことを「センシング」と言います。

この事象や変化を検出する基本技術には次のようなものがあります。

農業用途で観測できること

研究室では、植物を顕微鏡や化学分析機器、さらには分子生物学の技術や方法を使って観測することができますが、圃場ではこの生物環境をリアルタイムでその場で観測できることは今の技術では限られています。いくつか先端的な機器も開発されていますが、使用条件や価格から利用できる場面は限られています。

農業のIoTでは、作物そのもの、作物を栽培する環境、さらに施設園芸では施設の状態をセンシングします。下の図は、観測できる主な気象・土壌・植物と営農を描いたものです。

農業用途のセンサーの特徴として、風雨や太陽光(紫外線)にさらされることが一般的なので、堅牢性、耐久性、防水性などが求められます。

センサーネットワーク

センシングしたデータは、人間や機械が扱い易いデータに置き換え、他の電子機器(多くの場合、コンピュータープロセッサ)に送くられ、それが表示されたり、他のコンピュータに送られるのが一般的です。

センシングしたデータを他のコンピュータに送るのは、一般に無線の技術を使って、離れた所にあるコンピュータに送ります。このコンピュータは、圃場など農業の現場にあったり、インターネット上のクラウドの大型コンピュータなどです。

複数のセンサーに無線端末機能を持たせ、圃場などの農業の現場に散在させ、それらが協調してデータを採取することを可能とするネットワークのことを、無線センサーネットワーク(Wireless Sensor Networks, WSN)、または単にセンサネットワークと呼んでいます。

センサネットワークの無線端末はノードとも呼ばれ、通常1個以上のセンサー、マイクロプロセッサーと無線通信プロセッサー、電源(電池やソーラ電源など)により構成されます。ネットワーク上にある端末で、多点をほぼ同時に計測できます。

無線通信の規格と通信手順は多数あり、システム毎にそれぞれの目的にあうよう設計されています。

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